八丈岩山の頂上から姫路が一望できる。きらきら輝く瀬戸内海と家島諸島がすぐそこに見える。手を伸ばすと届きそうな勢いだ。一方、姫路城はというと、ビルにまぎれてしまって、じっくり探さないとわからない。
目の前にひろがる平野に、こんもりとした緑の丘がぽこぽこと点在していて播磨国風土記の時代の風景を思わせる。
播磨国風土記に、「十四の丘伝説」という物語がある。我が子・火明命(ほあかりのみこと)がやんちゃ者で困り果てた大汝命(おおなむちのみこと)は、子を捨てようと思い立った。(当時、この辺りは海がひろがっていて船が移動手段だったので)船を因達神山(いだてのかみやま)に着けると,息子に水を汲みに行かせ、その間に船を出してしまった。戻ってきた息子は父の所業にたいそう怒り、強い波風を起こして行く手を阻んだ。その時、船の積荷が地上に落ちて、それらが14の丘の名前になったという。
風土記の時代を彷彿とさせる八丈岩山からの眺めは、過去から未来へ続いていく自然の中に自分が居るということを強く感じさせてくれる。バス通りから山頂まで歩いて40分ほど。お薦めのビュースポットである。
ちなみに「十四の丘伝説」にでてくる因達神山(八丈岩山)と7つの丘が<城の西>エリアに点在している。
八丈岩山はこちら(「城の西まぐMAP」 googleマップにとびます)
ライター:米谷尚子