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城の西まぐまとは?
「マグマ」とは、地球内部にある1,000℃くらいの熱で溶けた岩石のこと。ふだんは地下の深いところでドロドロと流動していて、時折、近くの裂け目から突然噴き出します。また、地殻深くを対流してプレートを少しずつ移動させ、数十年ごとに大地震を引き起こすエネルギーも蓄えています。
戦後70年あまりの間に、日本の社会では多くの古いものが否定され、アメリカ的な消費をよしとする物質的な文明が発展しました。何百年も伝えられてきた農業や漁業、林業の営み、そこから生まれた日本の食文化や生業(なりわい)、祭祀、自然とのつき合いやムラの伝統などの多くは次々に消えてなくなりました。まちでは田んぼや畑が埋め立てられ、土の道は舗装され、自動車で速く移動するのに適した、よそよそしいよそおいが普通になっています。
けれど、アスファルトの割れ目からたくましく生えてくる植物の芽、ゲリラ豪雨によって水路からあふれ出して道路を川に変えてしまうほどの水の奔流、季節の移ろいをわすれることなく花開いたり、鳴き声を響かせる生き物の気配、何百年もつづく神社の祭りの高揚など…播磨風土記の時代から連綿と受け継がれてきた<城の西>ヒストリーは、現代にもたしかに息づいています。
世界中の気候危機が叫ばれ、災害が多発し、人口減少が続く今という時代。それぞれの地域がしなやかに未来へ向かうために必要な鍵=持続可能なつながりや小さな循環は、今この瞬間も、なにげない日常生活を送る私たちの意識の下でマグマのように渦巻き、ふとした拍子に顔をのぞかせているのではないでしょうか。
そんな思いから、城の西エリアマネジメント準備会では、<城の西>の未来を紡ぐ糸口となる生業やうごめきを「城の西まぐま」と命名。<城の西>で暮らすみなさまや<城の西>に関心をお持ちの方、まだ<城の西>についてよく知らないという方の心にもそれらが印象深く刻まれることを願いながら、コツコツとご紹介していきます。
城の西エリアマネジメント準備会