木の管理 悪循環を断ち切れ!
お庭の木、公園の木、学校の木、街路樹など、
身の回りにはたくさんの木があります。
知らない間に生えたもの、わざわざ植えたもの、
ずーっと昔からいるものなど、
木の歴史も様々です。
でも、「管理がとても大変」っていう声、
よく聞きます。
特に、公共の場の木々はどうしましょうか。
落ち葉が落ちて困るから、行政に剪定を依頼したり、
公園愛護会等、自治会のみなさんで剪定したりしていますか?
よくあるパターンとしては、
手間が少ないように、しばらく剪定せずに済むように(予算がない)と、
強剪定されます。
トーテムポールのように、バシバシ切られて、葉っぱがチョロっとついている、そんな剪定後の木を見たことあるのではないでしょうか?
一時的に、葉っぱも落ちてこないし、見通しも良くなりますが、
木は元気でしょうか?美しいでしょうか?
町は明るくなりましたか?
観光地である姫路に来たお客さんは、素敵だと思うでしょうか?
そして、1年ほどしたら、もっと勢いづいて枝葉が出てきます。
木からしたら、枝を切られることは、あるべきものが奪われた状態。
だから、また切られても生きていけるように、もっと枝葉を伸ばしておこうとリスクヘッジにかかるのです。
悪循環に気づきましたか?
では、
美しく、手間やお金がかからず、木と共生していく方法はあるのでしょうか?
剪定講座
令和4年10月19日に、
城の西エリアマネジメント準備会主催で、
剪定講座を開催しました。
講師は、リビングソイル研究所の西山雄太さん
講座の様子をお届けします。
今回モデルとなった場所は公園。
住宅街にあり、姫路市が管轄する山野井公園です。
低木の管理
出入口付近、境界の内側には低木のシャリンバイが植えられています。
ただ、茂りすぎて見通しが悪く、
もし向こう側に小さな子どもがいたとしても見えません。
道路側からも見えないので、小さな子が飛び出してくることを察知するのはむつかしそうです。
よくあるのはチェーンソーなどで、平面状に切り揃えられる剪定です。
作業時間が短く整えられてよさそうですが、
やり続けると、だんだんと上面の高さが上がってきて、壁のようになります。そうすると、見通しはさらに悪くなります。
ここでは、
剪定ばさみを使って一枝ごとに切っていきましょう。
今、手間がかかりますが、数年後の管理はとても楽になります。
よくありがちな切り方は、枝の途中で地面に平行にバシッと切ってしま方法。太巻きのお寿司一本を真っ二つに切るイメージ。
そうすると、しばらくしたら、その断面から複数の枝が生えてきます。
そう、ますます枝が増えるのです。
そうせずに、枝の根元で切るようにしましょう。
そうすれば、そこからはもう枝が出てこない(出てきにくい)そうです。
みんなで実践。
みんな夢中で切っていました。
大きくなってほしくないけど大きくなる木の管理
まあ、なんて人間の勝手なんでしょう。
そもそも、大きくなる木は、大きくなってほしくない場所に植えてはいけませんね。
植える前に気づけるようになりましょう。
でも、何かの理由でそこに大木となる木がある場合は、何とかしなければいけません。
大きくなる木は、木の幹が太くなります。
そのままにしておくと、上へ上へと成長し、手の届かないサイズになってしまいます。
そういう場合は、思い切って、株元から切ってしまいましょう。
(木の種類によるので、ひこばえが出てくるか確認してください)
しばらくすると、そこから、複数のひこばえが出てきます。
その中で、美しく伸びそうなものを数本選び残し、他は切ります。
そうすると、お手入れのしやすい元(もと)大木が出来上がります。
このひこばえが成長したら、また根元から切ればよいのです。
大きくなってほしい大きな木
山野井公園の中央付近には大きな木があります。
これは、公園では珍しい配置。
広場面積を大きく取ろうと思えば、木々は端の方へ植えられてしまいます。
でも、子ども連れの親からしたら、公園に木陰があることがとてもありがたい。
だからこそ、この大きな木は、この調子で大きくなってもらいましょう。
強剪定されていない木は、美しい自然樹形が出来上がりますが、
強剪定されたんだろうな、という木は、少し不気味で、元気がなさそうに見えます。
そんな木も、お手入れをすることで、美しい樹形へと整っていきます。
木が大きくなっても、剪定のポイントは同じです。
枝が出ているところから切ることです。
数年後、こんな形になりそうだな、という未来予想図を描きながら、
剪定するようにしましょう。
剪定木くずが邪魔
よくある話です。
切った木はどうすればいいの?
粗大ごみに出せばいいの?姫路市が回収してくれないの?
落ち葉や草は、よく可燃ごみの袋に入れて捨てられていますね。
でも、それ、本当にゴミでしょうか?
なぜ、落ち葉が落ちるのか考えてみると、ゴミではないことはわかるはずです。
冬の間、エネルギー消費を抑え、木の根元に落ち葉を落とすことで、堆肥へと変わり、自分への栄養にしているのです。
掃き清めるほど、木はやせ地に生きることになります。
ということは、落ち葉も、草も、剪定木くずも、栄養になります。
同じ公園内で循環させれば、人件費、ガソリン代、袋代もかかりません。
肥料を外から持ってくる必要もありません。
今回の剪定講座では、テストとして、チッパーを使ってあっという間にチップ状にし、木の根元に敷きました。
こういうことをしたいと自治会等から姫路市に希望をだせば、チッパーを使わせていただけるようになりそうですね。
(問い合わせてみてください)
家庭用ので所有したい場合はガーデンシュレッダーと調べると売っていますよ。
また、ワイヤーメッシュのコンポストを置いて、そこに落ち葉や草を入れるようなルールにしておくと、
ゴミ袋に入れて焼却処分する必要がなくなる上、いい堆肥ができあがります。
芝生や雑草の管理が大変
第一印象がよさそうで、芝生を植えたけども、
伸びてくるし、草も生えるし、管理が大変というお声、よく聞きます。
かといって、裸地にしても、砂利にしても、結局草は生えますね。
そんな時には、こんな芝刈り機はいかがでしょうか?
押せば動いて、芝刈りができます。
電源は要りません。
さあ、いかがでしたか?
何か一つでもやれそうなことから取り入れていただければ幸いです。